市販のソフトウェアを買った方が楽だったと思うが
私が始めた頃はそんな小遣いがなかった。
仕方がないので、仕事で使っていたACCESSとEXCELでシステムを研究した。
データはDATAGET社から買って、VBAで作成。
斎藤さんの逆張りやタートルのトレンドフォローなど、たくさんのシステムを作った。アイデアが浮かんでは、コーディングしテストをした。
金を賭けるので、実際にアイデアから運用するまでにいくつかのハードルを設けている。
まず、第一段階で、アイデアをプログラミングしバックテストを使って期待値、約定率、損益曲線、ドローダウン、PFなどの要求をクリアしているかを調べる。
次にバックテストを繰り返して変数を最適化し少しでも数値を改善する。
結果が良ければ第二段階のフォアードテストに移るが、ここまで到達するのは1割もない。
その後、残してあった最新のデータでフォアードテストを行う。
フォアードテストで思ったような期待値が得られないときは、変数を変えてバックテストすることもあるが、ほとんどの場合、フォアードテストが駄目な奴はその時点でチーンだ。
これこそ、「最適化の幻想」って奴である。
どんなランダムなデータでも、変数をいじくりまわしているうちに規則性を見つけるって奴だ。
システムトレードはこれとの戦いがメインである。
その時注意するのは、チャートを見て、予想を立ててから改良すること。
理論的な理由が大切で、これが欠けていると、最適化の罠に嵌ったまま抜けられなくなる。
もう一つの注意点は出来るだけシンプルにすること。
仕掛けや手じまい、資金管理もとことんシンプルさを追求する。
最初はたくさん、付け足して数値を高めていくが、完成に近づいてきたら、ぜい肉をそぎ落していくイメージで無駄なものをどんどん省いていく。
そうすると、そのシステムのエッセンスが3、4個残る。
これがシステムの核心。金の生る木である。これを見つけたら完成である。